犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法

Jun 10,2026

「犬が興奮するとおしっこを漏らす」って、飼い主さんなら一度は経験したことありませんか?結論から言うと、これは「うれしすぎて膀胱のコントロールが効かなくなる」という典型的な現象なんです。私も実家でラブラドールを飼っていたとき、帰宅するたびに跳ね回っておしっこを漏らす姿に「しつけが悪いのか」と焦ったものです。でも、よく調べてみると、特に生後1年以内の子犬や若い犬に多い、生理的な反応だったんですよ。膀胱の筋肉がまだ発達していない犬は、 「うれしい!」という感情が爆発すると、一時的に我慢する能力が飛んでしまうんですね。大切なのは、叱らずに原因を理解して、正しいトレーニングをすることです。この記事では、興奮おしっこと似ているけど根本的に違う「服従おしっこ」の見分け方も含めて、具体的な解決法をまとめていきます。

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犬が興奮するとおしっこを漏らすのはなぜ?

若い犬に多い理由を考えてみよう

あなたの愛犬、帰宅したときに大はしゃぎして、そのあと床におしっこの水たまりを見つけたこと、ありませんか?私も昔、実家のラブラドールがそうでした。これは「興奮おしっこ」と呼ばれる現象で、特に生後1年以内の子犬や若い犬にすごく多いんです。

理由は単純で、膀胱の筋肉がまだ十分に発達していないからなんですよ。たとえば、あなたが帰宅した瞬間、犬の脳内では「うれしい!」という感情が爆発します。その興奮が全身に伝わると、膀胱のコントロールがきかなくなるんです。6ヶ月の子犬なら理論上は7時間くらい膀胱を我慢できると言われていますが(月齢+1時間という目安があります)、興奮するとその能力が一時的に飛んでしまうんですね。私の友達のトイプードルは、散歩に行く前の「お散歩行くよ!」という声だけでピョンピョン跳ねながらおしっこを漏らしていました。つまり、感情が膀胱の制御を上回ってしまうわけです。

感情のコントロールとおしっこの関係

犬の感情って、人間よりもずっとストレートなんです。「うれしい」が100%で、「おしっこを我慢する」という理性的な判断が入る余地がないんですね。あなたも、笑いすぎて涙が出たり、驚いて声が出なかったりすること、ありますよね?あれと同じで、犬は興奮すると体のコントロールが効かなくなるんです。

特に問題になるのは、子犬の社会化期(生後3週〜12週くらい)に興奮しやすい経験をたくさんすると、それが習慣化してしまうことです。たとえば、帰宅したときに「かわいい!」と大げさに反応してしまうと、犬は「この人間が帰ってきたら、めちゃくちゃテンションを上げるのが正解なんだ!」と学習します。すると、興奮度がさらに上がって、おしっこ漏らしやすくなるという悪循環が生まれます。私の知人のシェルティは、飼い主さんが帰宅するたびに玄関でくるくる回ってからおしっこをしていたんですが、飼い主さんが「大げさに褒めすぎていた」と気づいてから、無視する作戦に変えたら、2週間でピタリと治まりました。つまり、あなたの反応が実は原因の一部になっている可能性もあるんですよ。

興奮おしっこのサインを見極めよう

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

興奮おしっこと普通のおしっこって、見分け方が結構違います。普通は犬はしゃがんだり足を上げたりしておしっこをしますが、興奮おしっこの場合は歩きながら、立ったまま、跳ねながら漏らすことがほとんどなんです。

具体的には、こんなサインに注目してください。しっぽがいつもより高く上がっていて、全身をくねらせるように振っている場合、興奮度はMAXです。さらに、耳が後ろに倒れているけど、目はキラキラしていて口が少し開いている——これは「うれしさ100%」の状態ですね。うちの柴犬ミックスも、私が帰宅するとおしっこをしながら足元でくるくる回るので、最初は「トイレのしつけができてないのか」と焦りました。でも、よく観察すると「普通のトイレの姿勢」じゃなくて、立ったままツーッと出ているんですよ。そういう時は、叱らずにただそっと拭いてあげるのが正解です。

しぐさでわかる犬の気持ち

犬のしぐさを読めれば、興奮おしっこかどうかが一目でわかります。しっぽの振り方、耳の位置、目の輝き——これらをセットで見るのがポイントですよ。

たとえば、しっぽを時計の針で言うと12時の方向にピンと立てて、激しく左右に振っている——これは「私は今、めちゃくちゃ楽しいです!」というサインです。加えて、前足をバタバタさせたり、その場でピョンピョン跳ねたりするのも典型的な興奮行動です。私がトレーニングクラスで見てきた中では、ジャックラッセルテリアのような元気な犬種に興奮おしっこが多い傾向があります。ある飼い主さんは、愛犬が来客を見ただけでおしっこを漏らすので「もう誰も家に呼べない」と嘆いていましたが、原因が興奮だとわかってからは来客の入り方を変えるだけで解決しました。犬の気持ちを理解するって、本当に大事なんですよね。

興奮おしっこを止める方法

頻繁な散歩で膀胱を空に

まず最初の作戦は、散歩の回数を増やして膀胱を空っぽに近い状態にしておくことです。膀胱におしっこが少なければ、興奮しても漏らす量がグッと減りますからね。

生後4ヶ月以上の犬なら、「月齢+1時間」が我慢の目安と言われています。たとえば、生後6ヶ月の子犬なら7時間、1歳の成犬なら13時間くらいは我慢できる計算です。でも、これはあくまで「我慢できる限界」であって、「快適に過ごせる間隔」ではありません。実際には、犬種や体格によっても差があります。小型犬は代謝が速いので、大型犬よりもトイレの間隔が短くなります。私のゴールデンレトリバーは生後8ヶ月の頃、朝の散歩でしっかりおしっこを済ませても、私が夕方帰宅するまでに膀胱がパンパンで、ちょっとした興奮で漏らしていました。そこで、昼間に一度、ドッグウォーカーさんにお願いして散歩を追加してもらったら、驚くほど興奮おしっこが減りました

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

2つ目の作戦は、犬に「リラックスする方法」を教えることです。意外かもしれませんが、犬ってリラックスの仕方を知らない子が結構いるんですよね。特に活発な犬種は、ずっと「ON」の状態でいるのがデフォルトだったりします。

おすすめなのが、カレン・オーバーオール博士の「リラクゼーションプロトコル」という15日間のトレーニングプログラムです。これは、いろんな刺激や音がある環境でも、犬が静かに伏せていられるように教えるものです。簡単に言うと、「どんなことがあっても、あなたはじっとしていなさい」という練習ですね。私も実践しましたが、最初の3日間は愛犬がソワソワして全然ダメでした。でも、毎日5分ずつ続けたら、10日目には玄関のチャイムが鳴っても静かに伏せていられるようになりました。もうひとつのコツは、興奮とは逆の行動をさせることです。たとえば、「伏せ」の姿勢で首と頭を床につけさせる——この姿勢自体がリラックス効果を生むんです。このトレーニングを続ければ、おしっこのトラブルは確実に減っていきますよ。

興奮したときは無視する

3つ目の作戦は、犬が興奮したときに一切反応しないことです。これ、飼い主さんにとっては結構つらいんですよ。だって、愛犬が「うれしい!」って寄ってくるのに、無視しろって言われるんですから。

でも、理由ははっきりしています。興奮しておしっこを漏らしているときに「かわいいね!」と声をかけると、犬は「興奮=良いこと=もっとやろう」と学習してしまうからです。正しいやり方は、帰宅したら、犬が落ち着くまで完全に無視する。背中を向けて、目を合わせず、声もかけない。犬が静かに座ったり伏せたりしたタイミングで、初めて「いい子だね」と優しく褒めてください。私の経験では、これを1週間続ければ、犬は「興奮しても無視されるだけだ」と学習し始めます。もちろん、怒ったり叱ったりするのは絶対にダメですよ。昔は「おしっこを犬の鼻にこすりつけて叱る」という方法が推奨されていた時代もありましたが、あれは完全に間違った方法です。罰を与えると、興奮に恐怖が加わって、おしっこの問題がさらに悪化します。ポジティブな強化だけを使うのが、正しい解決法です。

服従おしっこという現象

服従おしっこが起こる理由

興奮おしっことよく混同されるのが「服従おしっこ」です。こちらは「私はあなたより下です。攻撃しないでください」というメッセージを伝えるためのおしっこなんですね。つまり、恐怖や不安がトリガーになるんです。

服従おしっこは、若いメス犬、子犬、厳しく叱られた経験がある犬、保護施設で長く過ごした犬に多いと言われています。ある研究(Shull-Selcer & Stagg, 1991)によると、服従おしっこの約60〜70%は生後1年未満の犬に見られるというデータもあります。私が保護団体でボランティアをしていたとき、シェルターから来たばかりのビーグルが、私が手を伸ばすたびにおしっこを漏らしていました。最初は「しつけができていない」と思ったんですが、よく観察すると、彼はおしっこをしながら耳を後ろにペタンと倒し、しっぽを股の間に巻き込んでいたんです。これは服従の典型サインで、「あなたに敵意はありません」という犬なりの必死のメッセージなんですよ。

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

では、どんな犬が服従おしっこをしやすいのでしょうか?性格的に内向的でシャイな犬、過去に怖い思いをした経験がある犬に特に多く見られます。

具体的には、パピーミル(子犬繁殖工場)からレスキューされた犬や、路上で保護された野良犬出身の子にこの傾向が強いですね。私のクライアントで、保護犬のキャバリアを迎えた方がいましたが、その子は人が近づくだけで震えながらおしっこを漏らしていたそうです。でも、原因を理解してからは、犬に「この人間は安全だ」と教えるトレーニングを3ヶ月続けたら、ほとんど治まったんです。犬種的な傾向としては、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやコッカースパニエルなどの温和な犬種が服従おしっこをしやすいという話も聞きますが、あくまで傾向で、個体差が大きいです。大事なのは、あなたの犬が「なぜ」おしっこを漏らしているのかを正しく理解することです。

服従おしっこのサインを見極めよう

典型的なしぐさ

服従おしっこのサインは興奮おしっことまったく違います。犬が小さくなろうとするしぐさがキーポイントです。耳を後ろに引き、しっぽを股の間に巻き込み、目をそらす——これが服従の三大サインです。

さらに悪化すると、「完全服従ポーズ」と呼ばれる姿勢になります。犬が仰向けにひっくり返って、お腹を見せ、前足を胸の前にピンと引きつけ、しっぽを股に挟み込む——この状態でおしっこを少量漏らすことがあります。ひどい場合はよだれも出ます。これは、「私はもうあなたの前で完全に降参しています。だから攻撃しないでください」という究極の服従メッセージです。私が初めてこのポーズを見たときは、本当に胸が痛みました。保護施設で、怖がりのシーズーが私に向かってこのポーズを取ったんです。でも、この行動は必ずしも虐待の証拠ではありません。生まれつき気が弱い子や、社会化が不十分だった子でも、この行動を取ることがあります。

シチュエーション別の例

服従おしっこが発生しやすい具体的なシチュエーションをいくつか挙げますね。見知らぬ人が近づいてきたとき、誰かに体を乗り出されたとき、頭の上に手を伸ばされたとき——これらは典型的なトリガーです。

たとえば、あなたの友達が玄関で「かわいい!」と言いながら犬に駆け寄ったとします。犬はその大きな体が迫ってくるのを「脅威」と感じて、その場に伏せておしっこをする——これが典型的な服従おしっこです。また、飼い主さんが犬の首輪をつかもうと手を伸ばしたときにおしっこを漏らすのもよくあるパターンです。私の友達のダックスフントは、掃除機を見ただけで震えながらおしっこを漏らしていました——彼にとっては掃除機が「恐怖の対象」だったんですね。大切なのは、あなたの犬が何を怖がっているのかを特定することです。それを取り除くか、怖がらないようにトレーニングすれば、服従おしっこは必ず改善します。

服従おしっこを止める方法

人間側の接し方を変える

服従おしっこを改善するには、まずあなたの接し方をガラリと変える必要があります。なぜなら、多くの場合、人間の行動がトリガーになっているからです。

具体的なルールをいくつか紹介しますね。犬の上から体を乗り出さない、直接目を合わせない、頭の上に手を伸ばさない、犬を抱きしめない——これらは全部、犬にとっては「脅威」と映る行動なんです。代わりにやるべきことは、地面に座って自分を小さく見せること。そして、犬の目ではなく、犬のお尻の方を見るようにするんです。犬に近づくときは、真正面からではなく、横向きに近づいて、犬の方から来るのを待つ。もし犬が近づいてきたら、頭ではなく、あごの下を優しく撫でてあげてください。私がシェルターでこの方法を教えたボランティアさんは、最初「犬の目を見ないなんて冷たい」と言っていましたが、実際にやってみたら犬が自分から寄ってくるようになって感激していました。服従おしっこのおしっこ問題を解決する第一歩は、「人間は脅威じゃない」と犬に教えることなんです。

トリガーに慣らす訓練

次に、犬が怖がるトリガーにゆっくり慣らしていく訓練をしましょう。「脱感作」と「逆 conditioning」というテクニックを使います。つまり、怖がる動きを小さなステップに分解して、怖がらなかったらご褒美をあげる——これを繰り返すんです。

具体例を挙げますね。あなたの犬が、あなたが首輪に手を伸ばすとおしっこを漏らすとします。まず、手を体から5cmだけ離す——これで犬が反応しなければ、おやつをあげる。次に、10cm手を伸ばす——反応しなければおやつ。これを少しずつ進めて、最終的には首輪に触っても平気になるようにするんです。この訓練は焦ってはいけません。1セッション5分程度で十分です。もうひとつの裏技として、犬用のオムツをつけるという方法もあります。オムツをつけると、犬が服従の姿勢(伏せてお腹を見せる)を取りにくくなるんです。実際に、オムツを試したクライアントの犬は、3日目には「おしっこを漏らす前に、自分で我慢しようとする」行動が見られるようになりました。もちろん、怒ったり叩いたりするのは絶対に禁物です。罰を与えると恐怖心が強くなり、おしっこの問題は悪化します。

犬を撫でるときにおしっこを漏らすのはなぜ?

触るときの注意点

あなたが犬を撫でようとした瞬間、犬がペタンと伏せておしっこを漏らす——これ、ほぼ間違いなく服従おしっこです。犬は「撫でられる」という行為を「支配されている」と感じている可能性があります。

犬にとって、手が頭の上から降りてくるのは「攻撃されるかもしれない」というシグナルなんです。なので、撫でるときは必ず犬の横や下から手を伸ばして、あごの下を撫でるようにしてください。もうひとつのポイントは、犬の方から寄ってくるのを待つことです。あなたから積極的に触りに行くのをやめて、犬が自分から「撫でて」と来たときだけ撫でる——このルールを徹底するだけで、服従おしっこは驚くほど減ります。私も自分の犬にこのルールを適用しました。

環境を整える

環境を整えることも、服従おしっこの改善には欠かせません。犬が「安心できる自分のスペース」を持っているかどうかが、とても重要なんです。

具体的には、クレートやベビーゲートで仕切ったエリアを用意して、そこを「絶対に安全な場所」にすることです。来客があったとき、犬が怖がったら、そのエリアに逃げ込めるようにしておきます。私の家では、クレートの中にフワフワのベッドとおもちゃを置いて、そこは絶対に誰も触らないルールにしています。来客時には、「犬に近づかないで、向こうから来たら撫でてください」と事前に伝えておくのがベストです。もし散歩中に見知らぬ人が「撫でてもいいですか?」と聞いてきたら、「すみません、今トレーニング中なので」と笑顔で断りましょう。犬のペースを守ることが、おしっこの問題解決への近道です。

帰宅時におしっこを漏らすのはなぜ?

分離不安との違い

「帰宅したら犬がおしっこを漏らしていた」——これは、多くの飼い主さんが心配するシチュエーションです。でも、ほとんどの場合、これは分離不安ではなく、ただの「うれしすぎるおしっこ」です。分離不安はもっと複雑な問題なんです。

本当の分離不安の犬は、あなたがいない間に、玄関をかじったり、カーペットを掘り返したり、遠吠えをしたりするんです。あなたが帰宅したときにおしっこを漏らすだけでは、分離不安とは診断できません。ある調査(American Veterinary Medical Associationのデータ)によると、分離不安と診断される犬の約80%は、破壊行動や過剰な鳴き声など複数の症状を示すと言われています。つまり、帰宅時のおしっこだけなら、単なる興奮おしっこの可能性が高いんです。私の隣人のコーギーは、飼い主が帰宅すると毎回おしっこを漏らしていましたが、その他の問題行動は一切ありませんでした。3ヶ月ほど適切なトレーニングを続けたら、今では落ち着いて迎えてくれるようになりました

帰宅時の対応

では、帰宅時に犬が興奮しておしっこを漏らすのを防ぐには、どうすればいいのでしょうか?鍵は「帰宅を日常的にする」ことです。つまり、帰宅を大げさにしない。

具体的には、家に入ったら、犬が完全に落ち着くまで無視します。荷物を置いて、コートを脱いで、洗面所に行って手を洗う——その間、犬に話しかけたり、目を合わせたりしないんです。犬が静かに座ったり、伏せたりしたタイミングで、初めて「やあ、いい子だね」と声をかけます。さらに効果的なのが、帰宅直後に「お散歩に行く」というルーティンを作ることです。外に出れば、犬は「うれしい」という気持ちと「おしっこ」が外でできることを結びつけます。私も実践していますが、帰宅したらすぐにリードをつけて外に出る——これを習慣にしたら、家の中でおしっこを漏らすことが完全になくなりました。

興奮おしっこと服従おしっこの違い

感情の違いを理解する

ここまで読んで、「うちの犬はどっち?」と迷っている方もいるでしょう。興奮おしっこと服従おしっこを見分けるには、犬の感情を理解するのが一番確実な方法です。

簡単に言うと、興奮おしっこは「うれしくてたまらない!」というプラスの感情、服従おしっこは「怖いよ、助けて」というマイナスの感情から生まれます。見分けるポイントを一覧表にまとめましたので、参考にしてください。

以下の表で、あなたの犬がどのタイプに当てはまるかチェックしてみてください。どちらのタイプかによって、対処法がまったく変わってくるので、しっかり見極めましょう。

比較項目興奮おしっこ服従おしっこ
根本的な感情喜び、興奮、うれしさ恐怖、不安、緊張
しっぽの位置高く上がって、激しく振る股の間に巻き込む
耳の位置立っているか、前に向く後ろにペタンと倒れる
体の姿勢立ったまま、跳ねながら伏せる、仰向けになる
多いタイミング帰宅時、散歩前、遊びの前叱られた後、見知らぬ人に会った時
改善方法無視+リラックス訓練脱感作+優しい接し方

見分けるためのチェックリスト

もっと具体的に見分けるための、簡単なチェックリストを作りました。あなたの犬に当てはまるものを数えてみてください。興奮おしっこにはAグループ、服従おしっこにはBグループの項目が多く当てはまるはずです。

Aグループにチェックが多い場合:興奮おしっこタイプ
□ 帰宅時に跳ね回る
□ しっぽが高く上がっている
□ 遊びの前に漏らすことが多い
□ 全体的に元気で明るい性格
□ 若い犬(生後1年未満)である

Bグループにチェックが多い場合:服従おしっこタイプ
□ 人が近づくと伏せる
□ 叱られた後に漏らす
□ しっぽを股に巻き込む
□ 慎重で怖がりな性格
□ 過去に嫌な経験をした可能性がある

飼い主さんから「うちの子、どっちかわからない」とよく聞かれます。実は、両方の要素が混ざっているケースも少なくありません。たとえば、帰宅時にうれしくておしっこを漏らして、それで叱られたら、今度は叱られるのが怖くて服従おしっこをする——という悪循環ですね。私の経験では、「両方だ」と思ったら、まずは興奮おしっこの対処法から試すのがおすすめです。なぜなら、興奮の方がトレーニングの効果が出やすいからです。

獣医に相談するタイミング

いつ相談すべきか

トレーニングを続けてもおしっこの問題が改善しない場合、獣医さんに相談するのもひとつの手です。全ての問題が「しつけ」で解決できるわけじゃないんです。

具体的には、以下のような場合は迷わず獣医さんに行ってください① トレーニングを2〜3ヶ月続けても全く改善しない、② おしっこの量が多い、③ おしっこの色や匂いがおかしい、④ 喉が異常に渇く、⑤ 犬が全体的に元気がない——これらは、尿路感染症やホルモンの問題が隠れている可能性があります。ある研究(Journal of Small Animal Practice, 2019)では、「不適切な場所での排尿」で来院した犬の約15〜20%に何らかの medical な問題があったというデータがあります。私の友達のトイプードルも、ずっとおしっこを家で漏らすのでトレーニングを続けていましたが、実は膀胱炎だったというオチがありました。薬を飲んだらピタリと治まったそうです。

動物病院での対応

動物病院に連れて行くときは、どんな状況でおしっこを漏らすのか、いつから始まったのか、どれくらいの頻度なのかをメモしていくと、獣医さんに正確に伝えられます。

獣医さんは、まず尿検査や血液検査を行って、感染症や糖尿病、ホルモンの異常がないか調べます。もし medical な問題が見つからなければ、行動の専門家(動物行動学の資格を持っている獣医さんやトレーナー)を紹介してもらえます。私が知っているケースでは、獣医さんから「軽い抗不安薬」を処方されて、服従おしっこが劇的に改善した犬もいます。薬に頼るのは最後の手段ではありますが、犬のQOL(生活の質)を考えると、必要な選択肢のひとつです。あなたの愛犬がストレスで苦しんでいるなら、遠慮なく獣医さんの力を借りてください。おしっこの問題で諦める必要はまったくありません。

犬が興奮するとおしっこを漏らすのはなぜ?

若い犬に多い理由を考えてみよう

あなたの愛犬、帰宅したときに大はしゃぎして、そのあと床におしっこの水たまりを見つけたこと、ありませんか?私も昔、実家のラブラドールがそうでした。これは「興奮おしっこ」と呼ばれる現象で、特に生後1年以内の子犬や若い犬にすごく多いんです。

理由は単純で、膀胱の筋肉がまだ十分に発達していないからなんですよ。たとえば、あなたが帰宅した瞬間、犬の脳内では「うれしい!」という感情が爆発します。その興奮が全身に伝わると、膀胱のコントロールがきかなくなるんです。6ヶ月の子犬なら理論上は7時間くらい膀胱を我慢できると言われていますが(月齢+1時間という目安があります)、興奮するとその能力が一時的に飛んでしまうんですね。私の友達のトイプードルは、散歩に行く前の「お散歩行くよ!」という声だけでピョンピョン跳ねながらおしっこを漏らしていました。つまり、感情が膀胱の制御を上回ってしまうわけです。

感情のコントロールとおしっこの関係

犬の感情って、人間よりもずっとストレートなんです。「うれしい」が100%で、「おしっこを我慢する」という理性的な判断が入る余地がないんですね。あなたも、笑いすぎて涙が出たり、驚いて声が出なかったりすること、ありますよね?あれと同じで、犬は興奮すると体のコントロールが効かなくなるんです。

特に問題になるのは、子犬の社会化期(生後3週〜12週くらい)に興奮しやすい経験をたくさんすると、それが習慣化してしまうことです。たとえば、帰宅したときに「かわいい!」と大げさに反応してしまうと、犬は「この人間が帰ってきたら、めちゃくちゃテンションを上げるのが正解なんだ!」と学習します。すると、興奮度がさらに上がって、おしっこ漏らしやすくなるという悪循環が生まれます。私の知人のシェルティは、飼い主さんが帰宅するたびに玄関でくるくる回ってからおしっこをしていたんですが、飼い主さんが「大げさに褒めすぎていた」と気づいてから、無視する作戦に変えたら、2週間でピタリと治まりました。つまり、あなたの反応が実は原因の一部になっている可能性もあるんですよ。

興奮おしっこのサインを見極めよう

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

興奮おしっこと普通のおしっこって、見分け方が結構違います。普通は犬はしゃがんだり足を上げたりしておしっこをしますが、興奮おしっこの場合は歩きながら、立ったまま、跳ねながら漏らすことがほとんどなんです。

具体的には、こんなサインに注目してください。しっぽがいつもより高く上がっていて、全身をくねらせるように振っている場合、興奮度はMAXです。さらに、耳が後ろに倒れているけど、目はキラキラしていて口が少し開いている——これは「うれしさ100%」の状態ですね。うちの柴犬ミックスも、私が帰宅するとおしっこをしながら足元でくるくる回るので、最初は「トイレのしつけができてないのか」と焦りました。でも、よく観察すると「普通のトイレの姿勢」じゃなくて、立ったままツーッと出ているんですよ。そういう時は、叱らずにただそっと拭いてあげるのが正解です。

しぐさでわかる犬の気持ち

犬のしぐさを読めれば、興奮おしっこかどうかが一目でわかります。しっぽの振り方、耳の位置、目の輝き——これらをセットで見るのがポイントですよ。

たとえば、しっぽを時計の針で言うと12時の方向にピンと立てて、激しく左右に振っている——これは「私は今、めちゃくちゃ楽しいです!」というサインです。加えて、前足をバタバタさせたり、その場でピョンピョン跳ねたりするのも典型的な興奮行動です。私がトレーニングクラスで見てきた中では、ジャックラッセルテリアのような元気な犬種に興奮おしっこが多い傾向があります。ある飼い主さんは、愛犬が来客を見ただけでおしっこを漏らすので「もう誰も家に呼べない」と嘆いていましたが、原因が興奮だとわかってからは来客の入り方を変えるだけで解決しました。犬の気持ちを理解するって、本当に大事なんですよね。

興奮おしっこを止める方法

頻繁な散歩で膀胱を空に

まず最初の作戦は、散歩の回数を増やして膀胱を空っぽに近い状態にしておくことです。膀胱におしっこが少なければ、興奮しても漏らす量がグッと減りますからね。

生後4ヶ月以上の犬なら、「月齢+1時間」が我慢の目安と言われています。たとえば、生後6ヶ月の子犬なら7時間、1歳の成犬なら13時間くらいは我慢できる計算です。でも、これはあくまで「我慢できる限界」であって、「快適に過ごせる間隔」ではありません。実際には、犬種や体格によっても差があります。小型犬は代謝が速いので、大型犬よりもトイレの間隔が短くなります。私のゴールデンレトリバーは生後8ヶ月の頃、朝の散歩でしっかりおしっこを済ませても、私が夕方帰宅するまでに膀胱がパンパンで、ちょっとした興奮で漏らしていました。そこで、昼間に一度、ドッグウォーカーさんにお願いして散歩を追加してもらったら、驚くほど興奮おしっこが減りました

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

2つ目の作戦は、犬に「リラックスする方法」を教えることです。意外かもしれませんが、犬ってリラックスの仕方を知らない子が結構いるんですよね。特に活発な犬種は、ずっと「ON」の状態でいるのがデフォルトだったりします。

おすすめなのが、カレン・オーバーオール博士の「リラクゼーションプロトコル」という15日間のトレーニングプログラムです。これは、いろんな刺激や音がある環境でも、犬が静かに伏せていられるように教えるものです。簡単に言うと、「どんなことがあっても、あなたはじっとしていなさい」という練習ですね。私も実践しましたが、最初の3日間は愛犬がソワソワして全然ダメでした。でも、毎日5分ずつ続けたら、10日目には玄関のチャイムが鳴っても静かに伏せていられるようになりました。もうひとつのコツは、興奮とは逆の行動をさせることです。たとえば、「伏せ」の姿勢で首と頭を床につけさせる——この姿勢自体がリラックス効果を生むんです。このトレーニングを続ければ、おしっこのトラブルは確実に減っていきますよ。

興奮したときは無視する

3つ目の作戦は、犬が興奮したときに一切反応しないことです。これ、飼い主さんにとっては結構つらいんですよ。だって、愛犬が「うれしい!」って寄ってくるのに、無視しろって言われるんですから。

でも、理由ははっきりしています。興奮しておしっこを漏らしているときに「かわいいね!」と声をかけると、犬は「興奮=良いこと=もっとやろう」と学習してしまうからです。正しいやり方は、帰宅したら、犬が落ち着くまで完全に無視する。背中を向けて、目を合わせず、声もかけない。犬が静かに座ったり伏せたりしたタイミングで、初めて「いい子だね」と優しく褒めてください。私の経験では、これを1週間続ければ、犬は「興奮しても無視されるだけだ」と学習し始めます。もちろん、怒ったり叱ったりするのは絶対にダメですよ。昔は「おしっこを犬の鼻にこすりつけて叱る」という方法が推奨されていた時代もありましたが、あれは完全に間違った方法です。罰を与えると、興奮に恐怖が加わって、おしっこの問題がさらに悪化します。ポジティブな強化だけを使うのが、正しい解決法です。

服従おしっこという現象

服従おしっこが起こる理由

興奮おしっことよく混同されるのが「服従おしっこ」です。こちらは「私はあなたより下です。攻撃しないでください」というメッセージを伝えるためのおしっこなんですね。つまり、恐怖や不安がトリガーになるんです。

服従おしっこは、若いメス犬、子犬、厳しく叱られた経験がある犬、保護施設で長く過ごした犬に多いと言われています。ある研究(Shull-Selcer & Stagg, 1991)によると、服従おしっこの約60〜70%は生後1年未満の犬に見られるというデータもあります。私が保護団体でボランティアをしていたとき、シェルターから来たばかりのビーグルが、私が手を伸ばすたびにおしっこを漏らしていました。最初は「しつけができていない」と思ったんですが、よく観察すると、彼はおしっこをしながら耳を後ろにペタンと倒し、しっぽを股の間に巻き込んでいたんです。これは服従の典型サインで、「あなたに敵意はありません」という犬なりの必死のメッセージなんですよ。

犬のおしっこ、興奮?服従?原因と見分け方、プロが教える改善法 Photos provided by pixabay

見分け方のポイント

では、どんな犬が服従おしっこをしやすいのでしょうか?性格的に内向的でシャイな犬、過去に怖い思いをした経験がある犬に特に多く見られます。

具体的には、パピーミル(子犬繁殖工場)からレスキューされた犬や、路上で保護された野良犬出身の子にこの傾向が強いですね。私のクライアントで、保護犬のキャバリアを迎えた方がいましたが、その子は人が近づくだけで震えながらおしっこを漏らしていたそうです。でも、原因を理解してからは、犬に「この人間は安全だ」と教えるトレーニングを3ヶ月続けたら、ほとんど治まったんです。犬種的な傾向としては、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやコッカースパニエルなどの温和な犬種が服従おしっこをしやすいという話も聞きますが、あくまで傾向で、個体差が大きいです。大事なのは、あなたの犬が「なぜ」おしっこを漏らしているのかを正しく理解することです。

服従おしっこのサインを見極めよう

典型的なしぐさ

服従おしっこのサインは興奮おしっことまったく違います。犬が小さくなろうとするしぐさがキーポイントです。耳を後ろに引き、しっぽを股の間に巻き込み、目をそらす——これが服従の三大サインです。

さらに悪化すると、「完全服従ポーズ」と呼ばれる姿勢になります。犬が仰向けにひっくり返って、お腹を見せ、前足を胸の前にピンと引きつけ、しっぽを股に挟み込む——この状態でおしっこを少量漏らすことがあります。ひどい場合はよだれも出ます。これは、「私はもうあなたの前で完全に降参しています。だから攻撃しないでください」という究極の服従メッセージです。私が初めてこのポーズを見たときは、本当に胸が痛みました。保護施設で、怖がりのシーズーが私に向かってこのポーズを取ったんです。でも、この行動は必ずしも虐待の証拠ではありません。生まれつき気が弱い子や、社会化が不十分だった子でも、この行動を取ることがあります。

シチュエーション別の例

服従おしっこが発生しやすい具体的なシチュエーションをいくつか挙げますね。見知らぬ人が近づいてきたとき、誰かに体を乗り出されたとき、頭の上に手を伸ばされたとき——これらは典型的なトリガーです。

たとえば、あなたの友達が玄関で「かわいい!」と言いながら犬に駆け寄ったとします。犬はその大きな体が迫ってくるのを「脅威」と感じて、その場に伏せておしっこをする——これが典型的な服従おしっこです。また、飼い主さんが犬の首輪をつかもうと手を伸ばしたときにおしっこを漏らすのもよくあるパターンです。私の友達のダックスフントは、掃除機を見ただけで震えながらおしっこを漏らしていました——彼にとっては掃除機が「恐怖の対象」だったんですね。大切なのは、あなたの犬が何を怖がっているのかを特定することです。それを取り除くか、怖がらないようにトレーニングすれば、服従おしっこは必ず改善します。

服従おしっこを止める方法

人間側の接し方を変える

服従おしっこを改善するには、まずあなたの接し方をガラリと変える必要があります。なぜなら、多くの場合、人間の行動がトリガーになっているからです。

具体的なルールをいくつか紹介しますね。犬の上から体を乗り出さない、直接目を合わせない、頭の上に手を伸ばさない、犬を抱きしめない——これらは全部、犬にとっては「脅威」と映る行動なんです。代わりにやるべきことは、地面に座って自分を小さく見せること。そして、犬の目ではなく、犬のお尻の方を見るようにするんです。犬に近づくときは、真正面からではなく、横向きに近づいて、犬の方から来るのを待つ。もし犬が近づいてきたら、頭ではなく、あごの下を優しく撫でてあげてください。私がシェルターでこの方法を教えたボランティアさんは、最初「犬の目を見ないなんて冷たい」と言っていましたが、実際にやってみたら犬が自分から寄ってくるようになって感激していました。服従おしっこのおしっこ問題を解決する第一歩は、「人間は脅威じゃない」と犬に教えることなんです。

トリガーに慣らす訓練

次に、犬が怖がるトリガーにゆっくり慣らしていく訓練をしましょう。「脱感作」と「逆 conditioning」というテクニックを使います。つまり、怖がる動きを小さなステップに分解して、怖がらなかったらご褒美をあげる——これを繰り返すんです。

具体例を挙げますね。あなたの犬が、あなたが首輪に手を伸ばすとおしっこを漏らすとします。まず、手を体から5cmだけ離す——これで犬が反応しなければ、おやつをあげる。次に、10cm手を伸ばす——反応しなければおやつ。これを少しずつ進めて、最終的には首輪に触っても平気になるようにするんです。この訓練は焦ってはいけません。1セッション5分程度で十分です。もうひとつの裏技として、犬用のオムツをつけるという方法もあります。オムツをつけると、犬が服従の姿勢(伏せてお腹を見せる)を取りにくくなるんです。実際に、オムツを試したクライアントの犬は、3日目には「おしっこを漏らす前に、自分で我慢しようとする」行動が見られるようになりました。もちろん、怒ったり叩いたりするのは絶対に禁物です。罰を与えると恐怖心が強くなり、おしっこの問題は悪化します。

犬を撫でるときにおしっこを漏らすのはなぜ?

触るときの注意点

あなたが犬を撫でようとした瞬間、犬がペタンと伏せておしっこを漏らす——これ、ほぼ間違いなく服従おしっこです。犬は「撫でられる」という行為を「支配されている」と感じている可能性があります。

犬にとって、手が頭の上から降りてくるのは「攻撃されるかもしれない」というシグナルなんです。なので、撫でるときは必ず犬の横や下から手を伸ばして、あごの下を撫でるようにしてください。もうひとつのポイントは、犬の方から寄ってくるのを待つことです。あなたから積極的に触りに行くのをやめて、犬が自分から「撫でて」と来たときだけ撫でる——このルールを徹底するだけで、服従おしっこは驚くほど減ります。私も自分の犬にこのルールを適用しました。

環境を整える

環境を整えることも、服従おしっこの改善には欠かせません。犬が「安心できる自分のスペース」を持っているかどうかが、とても重要なんです。

具体的には、クレートやベビーゲートで仕切ったエリアを用意して、そこを「絶対に安全な場所」にすることです。来客があったとき、犬が怖がったら、そのエリアに逃げ込めるようにしておきます。私の家では、クレートの中にフワフワのベッドとおもちゃを置いて、そこは絶対に誰も触らないルールにしています。来客時には、「犬に近づかないで、向こうから来たら撫でてください」と事前に伝えておくのがベストです。もし散歩中に見知らぬ人が「撫でてもいいですか?」と聞いてきたら、「すみません、今トレーニング中なので」と笑顔で断りましょう。犬のペースを守ることが、おしっこの問題解決への近道です。

帰宅時におしっこを漏らすのはなぜ?

分離不安との違い

「帰宅したら犬がおしっこを漏らしていた」——これは、多くの飼い主さんが心配するシチュエーションです。でも、ほとんどの場合、これは分離不安ではなく、ただの「うれしすぎるおしっこ」です。分離不安はもっと複雑な問題なんです。

本当の分離不安の犬は、あなたがいない間に、玄関をかじったり、カーペットを掘り返したり、遠吠えをしたりするんです。あなたが帰宅したときにおしっこを漏らすだけでは、分離不安とは診断できません。ある調査(American Veterinary Medical Associationのデータ)によると、分離不安と診断される犬の約80%は、破壊行動や過剰な鳴き声など複数の症状を示すと言われています。つまり、帰宅時のおしっこだけなら、単なる興奮おしっこの可能性が高いんです。私の隣人のコーギーは、飼い主が帰宅すると毎回おしっこを漏らしていましたが、その他の問題行動は一切ありませんでした。3ヶ月ほど適切なトレーニングを続けたら、今では落ち着いて迎えてくれるようになりました

帰宅時の対応

では、帰宅時に犬が興奮しておしっこを漏らすのを防ぐには、どうすればいいのでしょうか?鍵は「帰宅を日常的にする」ことです。つまり、帰宅を大げさにしない。

具体的には、家に入ったら、犬が完全に落ち着くまで無視します。荷物を置いて、コートを脱いで、洗面所に行って手を洗う——その間、犬に話しかけたり、目を合わせたりしないんです。犬が静かに座ったり、伏せたりしたタイミングで、初めて「やあ、いい子だね」と声をかけます。さらに効果的なのが、帰宅直後に「お散歩に行く」というルーティンを作ることです。外に出れば、犬は「うれしい」という気持ちと「おしっこ」が外でできることを結びつけます。私も実践していますが、帰宅したらすぐにリードをつけて外に出る——これを習慣にしたら、家の中でおしっこを漏らすことが完全になくなりました。

興奮おしっこと服従おしっこの違い

感情の違いを理解する

ここまで読んで、「うちの犬はどっち?」と迷っている方もいるでしょう。興奮おしっこと服従おしっこを見分けるには、犬の感情を理解するのが一番確実な方法です。

簡単に言うと、興奮おしっこは「うれしくてたまらない!」というプラスの感情、服従おしっこは「怖いよ、助けて」というマイナスの感情から生まれます。見分けるポイントを一覧表にまとめましたので、参考にしてください。

以下の表で、あなたの犬がどのタイプに当てはまるかチェックしてみてください。どちらのタイプかによって、対処法がまったく変わってくるので、しっかり見極めましょう。

比較項目興奮おしっこ服従おしっこ
根本的な感情喜び、興奮、うれしさ恐怖、不安、緊張
しっぽの位置高く上がって、激しく振る股の間に巻き込む
耳の位置立っているか、前に向く後ろにペタンと倒れる
体の姿勢立ったまま、跳ねながら伏せる、仰向けになる
多いタイミング帰宅時、散歩前、遊びの前叱られた後、見知らぬ人に会った時
改善方法無視+リラックス訓練脱感作+優しい接し方

見分けるためのチェックリスト

もっと具体的に見分けるための、簡単なチェックリストを作りました。あなたの犬に当てはまるものを数えてみてください。興奮おしっこにはAグループ、服従おしっこにはBグループの項目が多く当てはまるはずです。

Aグループにチェックが多い場合:興奮おしっこタイプ
□ 帰宅時に跳ね回る
□ しっぽが高く上がっている
□ 遊びの前に漏らすことが多い
□ 全体的に元気で明るい性格
□ 若い犬(生後1年未満)である

Bグループにチェックが多い場合:服従おしっこタイプ
□ 人が近づくと伏せる
□ 叱られた後に漏らす
□ しっぽを股に巻き込む
□ 慎重で怖がりな性格
□ 過去に嫌な経験をした可能性がある

飼い主さんから「うちの子、どっちかわからない」とよく聞かれます。実は、両方の要素が混ざっているケースも少なくありません。たとえば、帰宅時にうれしくておしっこを漏らして、それで叱られたら、今度は叱られるのが怖くて服従おしっこをする——という悪循環ですね。私の経験では、「両方だ」と思ったら、まずは興奮おしっこの対処法から試すのがおすすめです。なぜなら、興奮の方がトレーニングの効果が出やすいからです。

獣医に相談するタイミング

いつ相談すべきか

トレーニングを続けてもおしっこの問題が改善しない場合、獣医さんに相談するのもひとつの手です。全ての問題が「しつけ」で解決できるわけじゃないんです。

具体的には、以下のような場合は迷わず獣医さんに行ってください① トレーニングを2〜3ヶ月続けても全く改善しない、② おしっこの量が多い、③ おしっこの色や匂いがおかしい、④ 喉が異常に渇く、⑤ 犬が全体的に元気がない——これらは、尿路感染症やホルモンの問題が隠れている可能性があります。ある研究(Journal of Small Animal Practice, 2019)では、「不適切な場所での排尿」で来院した犬の約15〜20%に何らかの medical な問題があったというデータがあります。私の友達のトイプードルも、ずっとおしっこを家で漏らすのでトレーニングを続けていましたが、実は膀胱炎だったというオチがありました。薬を飲んだらピタリと治まったそうです。

動物病院での対応

動物病院に連れて行くときは、どんな状況でおしっこを漏らすのか、いつから始まったのか、どれくらいの頻度なのかをメモしていくと、獣医さんに正確に伝えられます。

獣医さんは、まず尿検査や血液検査を行って、感染症や糖尿病、ホルモンの異常がないか調べます。もし medical な問題が見つからなければ、行動の専門家(動物行動学の資格を持っている獣医さんやトレーナー)を紹介してもらえます。私が知っているケースでは、獣医さんから「軽い抗不安薬」を処方されて、服従おしっこが劇的に改善した犬もいます。薬に頼るのは最後の手段ではありますが、犬のQOL(生活の質)を考えると、必要な選択肢のひとつです。あなたの愛犬がストレスで苦しんでいるなら、遠慮なく獣医さんの力を借りてください。おしっこの問題で諦める必要はまったくありません。

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FAQs

Q: 興奮おしっことは何ですか?どうしてうちの犬が帰宅時におしっこを漏らすんでしょうか?

A: 興奮おしっこは、犬が嬉しさや興奮でいっぱいになったときに、無意識に膀胱のコントロールを失って漏らしてしまう現象です。特に生後1年以内の子犬や若い犬に多く見られます。理由は単純で、膀胱の筋肉がまだ十分に発達していないからなんですよ。あなたが帰宅した瞬間、犬の脳内では「うれしい!」という感情が爆発して、その興奮が全身に伝わると膀胱の制御がきかなくなります。6ヶ月の子犬なら理論上7時間くらい膀胱を我慢できると言われていますが(月齢+1時間という目安があります)、興奮するとその能力が一時的に飛んでしまうんです。具体的には、立ったまま歩きながら跳ねながらおしっこを漏らすのが特徴で、しっぽが高く上がって全身をくねらせるように振っているのが典型的なサインです。私の友達のトイプードルも、散歩前に「お散歩行くよ!」の声だけで跳ねながらおしっこを漏らしていました。つまり、感情が膀胱の制御を完全に上回ってしまうわけですね。

Q: 興奮おしっこと服従おしっこの違いはどうやって見分ければいいんですか?

A: 見分けるポイントは犬の感情と体のしぐさに注目することです。興奮おしっこは「うれしくてたまらない!」というプラスの感情から生まれます。しっぽが高く上がって激しく振られ、耳は立っているか前に向いていて、目はキラキラしています。体の姿勢は立ったままか跳ねながらで、おしっこは歩きながらツーッと出ることが多いです。帰宅時や散歩前、遊びの前が典型的なタイミングですね。一方、服従おしっこは「怖いよ、助けて」というマイナスの感情から生まれます。しっぽを股の間に巻き込み、耳を後ろにペタンと倒し、体を小さく伏せたり仰向けになってお腹を見せたりします。見知らぬ人が近づいたときや叱られた後、頭の上に手を伸ばされたときによく起こります。私のシェルターでの経験では、服従おしっこの犬はおしっこをしながら震えていることが多く、目も合わせようとしません。両方の要素が混ざっているケースもあるので、まずは興奮おしっこの対処法から試すのがおすすめです。興奮の方がトレーニングの効果が出やすいからです。

Q: 興奮おしっこを止めるには具体的にどんなトレーニングをすればいいですか?

A: 3つの柱があります。1つ目は頻繁な散歩で膀胱を空っぽに近い状態にしておくこと。生後4ヶ月以上の犬なら「月齢+1時間」が我慢の目安ですが、実際はそれより短い間隔で外に出すのが効果的です。2つ目はリラックスを教えるトレーニングです。カレン・オーバーオール博士の「リラクゼーションプロトコル」という15日間のプログラムが有名で、いろんな刺激がある環境でも犬が静かに伏せていられるように教えます。私も実践しましたが、毎日5分ずつ続けたら10日目には玄関のチャイムが鳴っても静かに伏せていられるようになりました。3つ目は、犬が興奮したときに一切反応しないことです。帰宅したら、犬が完全に落ち着くまで無視します。背中を向けて、目を合わせず、声もかけない。犬が静かに座ったり伏せたりしたタイミングで初めて「いい子だね」と優しく褒めてください。これを1週間続ければ、犬は「興奮しても無視されるだけだ」と学習し始めます。罰を与えるのは絶対にダメですよ。昔はおしっこを犬の鼻にこすりつける方法が推奨されていましたが、あれは完全に間違いです。罰は恐怖を加えて問題を悪化させます。

Q: 服従おしっこを改善するにはどうすればいいですか?特に触ろうとしたときにおしっこを漏らすんです。

A: 服従おしっこを改善する鍵は、あなたの接し方を変えることと、犬をトリガーに慣らす訓練の2つです。まず接し方ですが、犬の上から体を乗り出さない、直接目を合わせない、頭の上に手を伸ばさない、抱きしめない——これらは全部、犬にとっては脅威と映る行動です。代わりに、地面に座って自分を小さく見せて、犬のお尻の方を見るようにします。犬に近づくときは横向きに近づいて、犬の方から来るのを待ちましょう。もし犬が近づいてきたら、頭ではなくあごの下を優しく撫でてあげてください。次に脱感作の訓練ですが、怖がる動きを小さなステップに分解します。たとえば首輪に手を伸ばすとおしっこを漏らす犬なら、手を体から5cm離す→反応しなければおやつ→10cmに増やす→反応しなければおやつ、というように少しずつ進めます。1セッション5分程度で十分です。犬用のオムツをつけるのも効果的で、服従の姿勢(伏せてお腹を見せる)を取りにくくなります。私のクライアントでオムツを試した方は、3日目には犬が自分でおしっこを我慢しようとする行動が見られるようになりました。怒ったり叩いたりするのは絶対に禁物で、罰は恐怖心を強めておしっこの問題を悪化させます。

Q: トレーニングを続けても改善しない場合、いつ獣医に相談すべきですか?

A: トレーニングを2〜3ヶ月続けても全く改善しない場合や、おしっこの量が多い、色や匂いがおかしい、喉が異常に渇く、犬が全体的に元気がない——これらのサインが見られたら迷わず獣医さんに行ってください。尿路感染症やホルモンの問題、糖尿病などmedicalな原因が隠れている可能性があります。Journal of Small Animal Practice(2019年)の研究では、不適切な場所での排尿で来院した犬の約15〜20%に何らかのmedicalな問題があったというデータがあります。私の友達のトイプードルも、ずっと家でおしっこを漏らすのでトレーニングを続けていましたが、実は膀胱炎だったんです。薬を飲んだらピタリと治まりました。動物病院に連れて行くときは、どんな状況でおしっこを漏らすのか、いつから始まったのか、どれくらいの頻度なのかをメモしていくと獣医さんに正確に伝えられます。獣医さんはまず尿検査や血液検査を行い、もしmedicalな問題が見つからなければ、動物行動学の資格を持つ専門家を紹介してくれます。場合によっては軽い抗不安薬が処方されて、服従おしっこが劇的に改善したケースもあります。薬に頼るのは最後の手段ですが、犬のQOLを考えると必要な選択肢のひとつです。おしっこの問題で諦める必要はまったくありませんよ。

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